杭(くい)の色々な種類や、その使い方などが試験に登場します。鳶職の人には余り馴染みのない項目になるので、過去に出題された内容を中心に整理して覚えておく必要があります。
とび技能士試験に関連する重要なものをピックアップしています。
木杭(きぐい)
木杭とは、その名の通り「木製の杭」の事。
この木杭を基礎杭として使用する場合は、くいの頭を常水面より下にしなければいけません。(※但し「平屋建の木造の建築物に使用する場合を除く)
基礎杭とは、浅い基礎では建築物を支える事が出来ない「軟弱な地盤」のときに、深く杭を打ち込み構造物を支える基礎になる杭の事です(ようは弱い地盤の時のお話です。)
地面から地中に掘り進んでいくと、常に水分を含んでいるところがあります。それを「常水面(じょうすいめん)」と言います。昔の日本人は、あっちこっちを掘って湧き水を貯めて「井戸」にしていましたよね。
赤文字部分を簡単な言葉でいうと「弱い地盤に杭を打って構造物を支える場合に木杭を使うのなら、くいの頭を常に水分を含んでいるところの下まで打ち込まなければいけない」という事になります。
理由は「腐敗防止」=腐らないようになんです。
そもそも腐るためには、空気が必要。その空気に触れないように水中に埋めてしまうっていう事なんです。
ちなみに、江戸時代末期に使われた木杭がまだ現役で残っていたりという例も多数あるくらいで、かなり有効な方法のようです。
現代では、クレオソートの含浸などで防腐処理をすることで腐敗防止をしたりすることもあるらしいですが、試験問題の回答としては、赤文字のようになります。(とにかく古い歴史的な問題が多いです。)